04.30 – International 国际的 – JAP

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当事務所では、設立当初より、外国人投資家に対し、専門的な法的アドバイスを提供しています。

フランスはもちろん、日本、韓国、アメリカ合衆国において、起業もしくは営業所を立ち上げようとする外国人投資家の皆様に定評をいただいております。

当事務所の創設時からのパートナー弁護士であるエメ・マンデルは、パリ弁護士会(1973年登録)及びカリフォルニア弁護士会(1975年登録)に所属しており、多くのアメリカ人投資家(主に医療・保健関係)を顧客に持つと同時に、1977年より出身大学の顧問弁護士として、主に不動産や寄付、商標案件に従事しています。

エメ・マンデルは、1977年から、多くの日本の行政機関の顧問を務めると同時に、フランスに投資をしている音響機器、刺しゅう機、農具、工具、印刷機器、スポーツ用品などの製造業及びゴルフ、ホテルなどの娯楽業に関わる日本企業への法律相談業務を行ってきました。

多くの顧客の皆様から、会社法及び労働法の顧問弁護士として御愛顧いただいています。

また数年前からは、フランスへの投資を検討している韓国企業に対しても法的サービスを実施しています。

さらに、当事務所は、外国での円滑な起業を支援するため、日本及びスペインの法律事務所とも提携をしています。

日本では、東京の赤坂国際法律会計事務所をはじめ、大阪や神戸の有力な法律事務所と協力関係を構築しています。

スペインでは、欧州連合知的財産庁(EUIPO)の本部があるアリカンテに所在するSENAKPON GBASSI ET ASSOCIES法律事務所と、特に商標・意匠の分野において、提携をしています。

日本、スペイン以外の地域でも、豊富な人脈を生かし、現地の弁護士と協力しながら、事件の解決に努めています。

当事務所は、ヨーロッパの弁護士ネットワークEUROLEGALのメンバーでもあります。このネットワークは、16か国22の法律事務所及び31の事務所から構成され、ビジネス法やその他の法分野に関わる550人以上の弁護士が所属しています。

 

裁判手続―外国判決および国際仲裁判断のフランスにおける承認と執行

 

1. はじめに

 

裁判判決や国際仲裁判断を得ても、債務者からの支払いを実際に得ることができなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。

国内の裁判判決であれば、国内にある債務者の財産に対して、強制執行の手段を取ることが検討されるでしょう。

他方、海外にある債務者の財産に対して、強制執行を考える場合には、執行にあたって、判決承認(フランス語で「exequatur」)の手続を取る必要がある場合があります。判決承認とは、ある国の裁判所において、外国裁判所の下した裁判の効力を自国においても認めることを宣言する手続をいいます。

当事務所の弁護士は、それぞれ異なる国(フランス、日本、韓国)の出身者であり、国際的な経験と二重の文化を有しています。また、全員がパリ弁護士会所属弁護士であることはもとより、カリフォルニア弁護士会、東京弁護士会等の二重資格を有する弁護士もおります。

このため、外国判決や国際仲裁判断について、フランスにおける承認及び執行手続を専門的に行うことができます。

以下、外国判決の中でも、欧州連合(EU)加盟国の裁判所が下した判決とEU加盟国以外の国(イギリス、米国、日本、韓国、その他のアジア、アフリカ、ラテンアメリカの国も同様)が下した判決を分けてご説明します。

 

2. EU加盟国の裁判所が下した判決

 

EU加盟国の裁判所が下した判決については、2012年12月12日のいわゆるブリュッセルI規則により、EU内の司法行政の相互信頼により、ある加盟国で下された判決は 、特別な手続きを必要とせずに、すべての加盟国で承認されるという原則が認められました。これによって、EU内の判決については、判決承認手続の時間とコストを削減することが可能となりました。その結果、ある加盟国の裁判所で下された判決は、あたかも別の加盟国で下された判決と同様のものとして扱われます。

したがって、例えば、フランスの債務者に対して、ドイツの債権者がドイツで確定判決を得ている場合には、直接フランスで直接強制執行を要求できるようになります(もちろん、上記2012年12月12日のブリュッセルI規則の要求する条件を満たしている必要があります。)。

もっとも、EU内であっても、判決の執行は、その執行国(一般的に、債務者の住所地または資産所在地)の国内規則および手続に基づいて執行される必要があります。

 

3. EU加盟国以外の国の裁判所が下した判決

 

この場合、判決の承認と執行に関する二国間または多国間協定が締結されていない限り、フランスで外国判決を執行することを望む債権者は、まずフランスで判決の承認手続を経なければなりません。フランスで承認判決が得られると、債権者は、外国で得た判決を元に、フランスの執行規則に基づいて、フランス国内にある債務者の資産に対して、強制執行の手段(差押、株式の差押、財産の差押、航空機の差押など)を開始することができるようになります。

 

4. 国際仲裁判断

 

国際仲裁判断が終局確定性かつ拘束性を有するとしても、債務者が自発的に支払いをするとは限りません。

仲裁判断があったにもかかわらず、債務者が自発的に支払いをしない場合、債権者が、フランス領土にある債務者の財産に対して執行をかけることが考えられます。

そのためには、債権者は、まずパリ司法裁判所に承認手続を申請しなければなりません。もっとも、この承認手続は非対審での審理となります。

なお、仲裁判断の承認手続が非対審にて行われることは、仲裁判断の有効性と妥当性を保証する「外国仲裁判断の承認及び執行に関するニューヨーク条約」の目的に沿っており、この条約は2022年9月1日の時点で、フランスを含む170カ国が批准しています。

仲裁判断の承認命令が債務者に通知されると、債務者が当該命令に対して異議申立てをした場合でも、当該仲裁判断はフランスで執行することができます。

 

5. 当事務所の専門性

 

フランスで執行される判決の種類(外国判決または仲裁判断)にかかわらず、私たちはクライアントに幅広いサービスを提供しています。

執行官や私立探偵と協力し、あるいは専門的なデータベースを参照しながら、フランス国内にある債務者の資産(銀行口座、株式、知的財産権、不動産など)を特定・所在確認できるよう、クライアントをサポートします。

また、これらの債務者の資産が、フランス、欧州連合、米国または国連が特定の国家、個人または団体に対する制裁措置の一環として行った凍結措置(例:イランまたはロシアに対して行った凍結措置)の対象になっているかどうかを確認することができます。

また、当事務所に依頼をくださるクライアントや、相談をくださる外国人弁護士には、外国判決や仲裁判断が下される前の段階で、ご相談を下さるようアドバイスしています。

例えば、フランス裁判所で、いわゆる仮処分手続を取ることができる場合があります。すなわち、原則として、請求に十分な根拠があること、及び、回収の困難性を疎明することができれば、仮処分決定を得ることができます。これにより、債権者であるクライアントは、債務の支払いを事前に確保することができます。

この仮処分手続の方法としては、仮差押え(フランスの銀行口座、登録商標、美術品その他動産の仮差押え)、株式に対する質権の仮登録、あるいは不動産に対する仮抵当権設定等が考えられます。

また、一旦フランスでこの仮処分命令を得ておけば、その後、他のEU加盟国の裁判所にて終局判決が確定した場合、または、フランスで承認判決が下された場合(EU加盟国以外の裁判所が下した判決、または国際仲裁判断について)、この仮処分命令は確定的な執行力を有します。

これにより、フランス国内において、有形資産の差し押さえ、航空機・船舶の差し押さえ、銀行口座の差し押さえ、株式・事業用資産・不動産の裁判上の売却など、債務者に支払いを強制するための強制措置を実施することが可能になります。

また、当事務所は、クライアントに代わって、民事・商事案件における国際的債権回収の促進を目的とした、「銀行口座の予防的差押えに関する欧州命令」の手続を取ることもできます。

この欧州命令は、債権回収の非実効性の危険を防ぐため、債務者の名義または計算で開設されたEU加盟国内の銀行口座について、一定の金額の資金の移動または引き出しを禁止するものです。

以上のとおり、当事務所では、EU域外の裁判所が下した判決や国際仲裁判断について、クライアントの代理人として法廷で承認手続を開始し、承認判決が得られた後は、それぞれのケースで最も適切な執行手段を選択・実施するためのアドバイスを行っています。

また、かかる諸手続に際しては、外国の判決や仲裁判断をフランス語に翻訳する法定翻訳人、司法文書等の送達や強制執行について法的独占権を有する執行官(執行官の中には、特に執行の困難な船舶や飛行機を専門とする者もおります。)と提携しています。

私たちは、世界中のクライアントの皆様、そして国外の弁護士の皆様のために、フランスのすべての裁判所において、民間人のみならず、外国国家のような公人を相手方として訴訟を追行することができます。

 

当事務所の強みとして、以下が挙げられます:

  • 承認手続及び執行手続に関する知識
  • 国際私法に精通
  • 債務者の資産・所在を確認する能力
  • フランス語、英語に加え、韓国語、日本語の多言語対応
  • Eurolegalネットワークなど、国際ネットワークに加入
  • 1977年以降、米国(カリフォルニア大学)と日本(JETRO/日本貿易振興会)の機関の代理人として活動してきた実績